Pocket
LINEで送る

前巻までの莉智香編が終わり、新章が始まり新しいヒロインが登場する「おちんこ」第9巻です。今巻で登場するのは、おちんこでこれまで出てこなかった「後輩」という属性を持つ樋川穂澄ちゃんでした。一応、奈緒も彩葉も一つ年下なのですが、奈緒は妹だし、彩葉は幼馴染でしたからね。純粋に後輩として慕って貰えるのは穂澄が初めてなのです。

しっかりとボーイ・ミーツ・ガールを作り込んでいるので、前章の莉智香のような攻略不可能キャラではなさそうです。なんと言ってもキャラ造形が年下でかわいらしい感じでいいですね。ロリというよりは、スレンダーな美少女という感じです。アイドル系とでも言いましょうか。

そして本巻ではついに彩葉が今までの雑魚キャラっぷりを返上し、本気を出して修輔攻略に乗り出してきます。作品を通してあまりにも奈緒が余裕ぶっこき過ぎなので、私個人としては応援してあげたくなります。というわけで、おちんこ第9巻スタートです。

あらすじ

修輔は街中で一人の少女・樋川穂澄とぶつかる。穂澄は何を思ったか修輔のことを格好いいと思ってしまう。(第58話)奈緒は穂澄と同じクラスになり、お互いのお兄ちゃんトークで盛り上がる。しかし、穂積は兄について問題を抱えているようで……。(第59話)

学校で修輔を見つけた穂澄は勇気を出して声をかける。(第60話)中庭でお話をすることになった修輔と穂澄。修輔は穂澄に先輩と呼ばれたことに感動してしまう。そしてエロDVDを手元に戻すためにデートの約束をすることに。(第61話)

改めて彩葉による奈緒への宣戦布告が行われる。(第62話)奈緒が彩葉から聞いた修輔に近付いている女の子の正体は穂澄だった。(第63話)髪をおろして本気モードの彩葉は匿名で修輔を屋上に呼び出し勝負を仕掛ける。(第64話)

感想

新ヒロイン樋川穂澄は後輩ちゃんなのだ!

修輔は街中で歩いていると、一人の少女とぶつかってしまいます。その少女はストライプパンツを穿いていて、黒髪ロングの清楚系なのでした。彼女こそが新ヒロインの樋川穂澄だったのです。穂澄は何を思ったか、ぶつかった相手の修輔のことを「やだっ…超カッコイイっ…」と思ってしまいます。修輔ってイケメン設定だったけ?と思いましたが、少なくとも穂澄はそう感じたのです。そして、ここでも近藤繭佳との出会いの時に使われた技術が登場します。

ぶつかった拍子にエロDVDが穂澄の荷物の中に紛れ込んでしまったのですね。というか、こいついっつもエロ本かエロDVD買ってるな……。それはさておき、修輔は穂積に対してどんどん好感度を高めていきます。とりわけ大きかったのは、穂積に「高梨先輩」と呼ばれたことでした。修輔は心の中で独白します。「ギャルゲじゃあんなにしょっちゅう呼ばれてたってのにっ…現実じゃ一度も「先輩」って呼ばれたことがないっておかしいじゃないかよっ」

可愛くて、気遣いができて、素晴らしい尻をしている――修輔の穂積に対する評価はだだ上がりです。確かにこんなにかわいい後輩の女の子に慕われると、悪い気がしないでもないですよね。これまで彩葉の初太刀をかわし、近藤繭佳とすれ違い、莉智香にいいようにされてきた修輔でしたが、穂積に対してはどんな結末が待っているのでしょうか。今のところはいい感じのラブコメが展開されているように見えます。ただ、草野先生は物語的に色々と仕掛けることが得意なためにまだまだ油断はできませんよ。

どんどん進む穂澄とのフラグと気がかりなこと

エロDVDを巡って、修輔は穂積と外で待ち合わせをすることになります。即ちこれデートですよね。もちろん、奈緒が尾行するのは言うまでもありません。彩葉の姿が見えないことについては後でお話しましょう。喫茶店で二時間ばかり他愛もない話をする修輔と穂積。たとえ他愛のない話であっても、出会って間もない人と二時間も話し続けるのは大変なはずです。もしかすると、修輔と穂積の相性はとてもいいのかもしれませんね。奈緒も話を盗み聞きしながら、修輔がどういうルートで家族にバレずにエロDVDを入手したかを知ってニヤニヤしている場合ではありませんよ!

完璧美少女穂積ちゃんなのですが、この巻で僅かですが気がかりな発言をしています。それは、教室で奈緒と一緒に互いの兄について雑談している時のことです。兄の駄目なところを言い合ってどこの兄の駄目さも同じなんだな――というのは普通です。ですが、穂積は「その程度で済むなら――大して実害もないんだけどねっ」と意味深なことを言っています。その程度で済まないということは、穂積の兄は穂積にそれ以上の何かをしているということなのでしょうか?

ミステリアスな雰囲気を残しながらも、穂積の登場については成功していると思いますね。私もね、穂積ちゃんのことが気になって、気になって仕方がなかったんですよね。私がおちんこを最終巻まで買ったのも穂積シナリオの先が気になったからなのでした。もうね、衝撃を受けましたよ。その評価についてはいずれ書きますが、何気ない物語進行の中に爆弾が隠されているということは忘れないでください。私の場合は見事に爆発してしまいましたから……。これは未来の私への警告です。「樋川穂積にきをゆるすな」

彩葉が髪をおろして本気モードで攻めはじめた

本巻でのもう一つの変化は、彩葉が本気を出して修輔攻略に乗り出したということです。草野先生もあとがきで「今迄ザコキャラ化していた彩葉」と書かれているように、彩葉は噛ませ犬ポジションに甘んじてきました。奈緒の修輔尾行には自分は他の誰にも負けないという特権的立場からの余裕がありましたが、彩葉のそれはただ必死なだけなのでした。彩葉は奈緒の立場への甘えを指摘し、トレードマークだったツインテールをおろして宣戦布告を行います。

今迄はシヴィライゼーションばりの宣戦詐欺ばかりで本格行動をしなかった彩葉でしたが、今回の宣言は本物のようです。修輔を屋上に呼び出して攻撃開始です! 髪をおろした彩葉は、以前より3割増しぐらいでかわいく見えますね。情報戦を制して「高梨先輩」と呼んでいるあたりも策士でポイントが高いです。すんごく計算して迫る子なんですけど、一生懸命なのですよね。そこまで修輔に執着する理由はわからないのですが、幼馴染の呪いというのはラブコメ世界において凄まじいものがあるようです。

私はこのシリーズの最初のほうは奈緒を応援していたのですよね。兄の性癖をコントロールしようとするところが新鮮でしたし、修輔のことが本当に好きなんだなと感じることができたのです。でも、ここまで読んできて私は彩葉派に傾きつつあります。最初の頃、計算高くてあまり好感度が高くなかった彩葉だったのですが、巻が進むごとに常識人っぷりを発揮していましたし、何よりも物事にまっすぐに向かっていく姿が健気でかわいらしいです。彩葉には本当に頑張ってもらいたいところなのです。

まとめ

新キャラの樋川穂積が登場することで、おちんこは新しいステージに一歩足を踏み出しました。よくよく考えてみると、今この時点で残っているヒロインは奈緒と彩葉と穂積の三人ということになります。莉智香は問題外でしたし、近藤繭佳はあさっての方向へと行ってしまいました。なんだかんだと言って、恋の最終決戦へ駒を進められるヒロインは絞られてきました。穂積は今まで奈緒と彩葉が積み重ねてきたものをすっ飛ばして、勝利ヒロインの座をかっさらうことができるのでしょうか?

そしてついに彩葉が本格始動を始めました。私は彩葉を心の底から応援することを決めましたよ。幼馴染が負け犬になる姿を見るのはもう嫌なんです。なんで幼馴染ばかりが貧乏くじを引かなければならないのでしょうか?世の中のラブコメ作家たちは幼馴染に親でも殺されたのでしょうか?私がここまで彩葉推しになったのは、奈緒の驕りが見えてきたからということもあります。義理の妹という特権的立場に甘んじて、状況を楽しみ過ぎなのです。

奈緒がネタバレをし、修輔の気持ちを確かめないために、彩葉はいつまで経っても宙ぶらりんの状態に置かれてしまうのです。初恋という呪縛にとりつかれ続けてしまうのです。ギャグ調の漫画だからいいですけど、リアル調だったら彩葉はヤンデレになって、修輔を〇しちゃうパターンですよ。修輔争奪の決勝戦は穂積、奈緒、彩葉の三人に絞られてきた感がありますが、私はしつこいですが彩葉を推します。そして、穂積の兄に関して雲行きが怪しくなっていく第10巻への続きます。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:カオス

主に青年誌のラブコメ・エロコメを好む30代男子。「変女」推し。

Pocket
LINEで送る