緋弾のアリア (1) (MFコミックス アライブシリーズ)

ライトノベル原作でアニメ化もされた人気作品「緋弾のアリア」。テンプレ通りのツンデレ、大和撫子、お色気キャラにクールキャラとまさに萌えマンガの王道とも言える属性のヒロインが勢揃いしています。しかし本作品はただのハーレムマンガではありません。銃や刀剣で武装した美少女たちが強敵と熾烈な戦いを繰り広げるバトルマンガでもあるのです。

特殊な体質により女の子と接することが苦手な主人公とそれを取り巻くさまざまな属性のヒロイン達とのラブコメに「萌え」るのはもちろんのこと、突如襲い掛かる正体不明の敵や謎の犯罪組織との戦い、特定の条件下でのみ発動する主人公の覚醒など、熱いバトル展開に「燃え」ることも間違いなしです。

日常系萌えマンガとは一味違う「萌え」て「燃え」る本作品、ぜひ一度読んでみることをお勧めします。

あらすじ

日々凶悪化する犯罪者に対抗するために作られた国家資格「武装探偵」、通称「武偵」。主人公である「遠山キンジ」は武偵を育成するための教育機関「武偵高校」に所属していながら平和な生活に憧れるという変わり者です。

そんなキンジですが、ある日自転車で登校した際、世にも珍しい「チャリジャック」を仕掛けられてしまい、自転車には爆弾が仕掛けられ、後方からは機関銃が追ってくるという絶対絶命な状況を迎えてしまいます。死を覚悟したそのとき、空から降ってきた謎の美少女「神埼・H・アリア」に命を救われることになります。

爆発の衝撃であられもない姿で密着したアリアとキンジ、それによりキンジは秘められた力の覚醒条件を満たしてしまいます。ある理由によりその力を隠したいキンジと、その力を見てキンジをパートナーにしようとするアリア。ここから二人の奇妙な関係が始まります。

感想

序盤から見え隠れする「凶悪犯罪者」

キンジは学校へ通う際、普段は男子寮の前から利用できるバスで通学していますが、バスに乗り遅れてしまった場合は仕方なく自転車を利用しているようです。今日から2年生、という始業式の日も白雪が家にお弁当を持ってやってきたり、出発前のメールチェックに時間がかかったりしてしまったせいでバスを逃してしまいます。

そして自転車を利用し・・・結果チャリジャックの事件に巻き込まれることになりました。登場していきなり正体も分からない謎の敵から自転車に爆発物を仕掛けられる主人公、というのは数あるマンガの中でも彼ぐらいではないでしょうか。朝、家を訪れた白雪の言う「武偵殺し」という連続殺人犯や「模倣犯が現れるのでは」という懸念、そして爆発物や自走機関銃を使う謎のチャリジャックなど、第1話から「緋弾のアリア」の世界の犯罪者がいかに凶悪かを物語っています。

「武偵高の生徒は学内での刀剣と拳銃の携帯を義務付ける」という校則やキンジの身に着ける「防弾制服」というトンデモ装備からも、犯罪者と戦う武偵がいかに危険な仕事なのか察することができます。しかし、仲間を助けるためビルの屋上から飛び降り、機関銃や爆発を恐れず立ち向かうアリア登場で、凶悪な犯罪者たちだけでなく、それらに対抗するために作られた武偵たちもまた強い存在なのだと知らされます。「武偵憲章1条、仲間を信じ、仲間を助けよ」。やはり悪に立ち向かう正義というのは格好いいものです。

王道を抑えつつも個性的なヒロインたち

ツインテール、ツンデレ、少女体型、おまけに朝ぶつかった女の子が転校生としてやってくるという状況・・・これだけ揃えばもはやラブコメのメインヒロインとしては王道中の王道と言えるでしょう。しかし空から降ってきて登場し、事あるごとに銃をぶっ放し、更にはお泊りセットを持って男性寮であるキンジの家へ強引に住み込むなどというとんでもない行動をするあたりが「ただの王道ヒロイン」ではないアリアの大きな魅力なのです。

「風穴あけるわよ!」「あんた、あたしのドレイになりなさい!」などという過激な発言をする彼女ですが、それもそのはず、見た目はファンクラブができるほど愛らしい小柄な少女ながらも、彼女は武偵として最高クラスの実力者であることを意味するSランク武偵であり、「双剣双銃(カドラ)のアリア」という二つ名の持ち主だったのです。そんな彼女ですが、過剰なほど純であったり大人らしい綺麗なドレスに憧れたりなどと年相応の少女らしい一面も持ち合わせており、そのギャップもまた彼女の愛らしさに拍車をかけています。

また、朝キンジの家へ起こしに来たりお弁当を作って来たりなどと半ば通い妻状態になっている幼馴染の「星伽白雪」や、探偵科ナンバーワンのバカ女(キンジ談)であるクラスメイトの「峰理子」などキンジの周囲には個性的なヒロインが多数居り、キンジとアリアが行動を共にするようになったことで彼女たちを含めて一騒動も二騒動も起こることになっていきます。

キンジ覚醒のカギはまさかの「性的興奮」

「ヒステリア・サヴァン・シンドローム」、キンジ自身は「ヒステリアモード」と呼ぶこの特性は、ある条件をトリガーとして思考力や判断力、反射神経などが常人の30倍にまで上昇し、まさに超人と化すことのできる夢のようなモードです。しかしキンジはこのモードを毛嫌いし、他人、特に女性には悟られないようにしています。

なぜならばヒステリアモードになるためのトリガーが「性的に興奮すること」というとんでもないものだったからです。更にヒステリアモード中のキンジには「女性を何がなんでも守りたくなる」性質があり、更に「女性に対してキザな言動を取ってしまう」ため、あらぬ誤解を生むことは女性が苦手なキンジにはとても耐え難いことだったのです。しかし、チャリジャック事件の際、仕掛けられた爆弾の爆風により体育倉庫の跳び箱の中へアリアと共に吹き飛ばされたキンジはアリアの下着を見てしまいます。

アリアが少女体型であったため性的興奮には至らずセーフだ、と安堵したのも束の間、チャリジャックの仕掛けた自走機関銃に囲まれてしまいます。反撃を試みようとするアリアでしたが、そのときとんでもないアクシデントが起こりました。アリアが跳び箱の隙間から銃撃するため体勢を変えたせいで胸がキンジの顔に押し付けられる形になったのです。思わぬ肉体的接触でヒステリアモードになったキンジは一瞬で7台全ての自走機関銃を壊滅させてしまい、その力を見たアリアに目をつけられてしまいます。そして学校帰りを尾行され、家へ押しかけてきたアリアとの共同生活がはじまりました。

まとめ

「緋弾のアリア」1巻では主人公であるキンジの特性や物語の中心となるアリアとの出会いが主立って描かれていました。また、武偵という特殊な職業や武偵高校という特殊な舞台の紹介も必要となってしまうため、バトルの描写や白雪をはじめとする他のヒロインの出番も少なめになってしまっています。

しかしその分、メインヒロインであるアリアの魅力や、主人公であるキンジの性格や立ち位置などが充分に描かれていると思います。キンジ本人は毛嫌いしているのが難点ですが、ヒステリアモードになったキンジは問答無用で格好いい活躍をしてくれ、追い詰められてから、覚醒してからが本番ともいえる、まさにバトルマンガの主人公という感じでしたし、アリアは話を聞かなかったり家に押しかけたりと強引な面はあるものの、年齢や外見相応の可愛らしさを兼ね備えているあたりがしっかり伝わってきました。

今回は「緋弾のアリア」1巻のみをご紹介させていただきましたが、2巻以降では第1話から既に散りばめられた謎の答えや新たな敵なども今後続々と出現してくるため、燃える展開の連続になること間違いなしです。もちろん、アリアがこれまでとはまた違った側面を見せたり、白雪や理子など他のヒロインの掘り下げ、新たなヒロインの出現などもあるので、重要な「萌え」ポイントもしっかり押さえられています。美少女たちが銃や刀剣で戦う「萌え」「燃え」なマンガを読みたいという方はぜひ一度読んでみていただきたいと思います。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9