「鳥獏先輩なに賭ける?」は「兄嫁」「れんあいこわい」で知られるくずしろ先生の新シリーズです。賭け事が弱いのにとにかく博打好きなヒロイン鳥獏(とばく)先輩と主人公馬締(まじめ)くんの掛け合いが愉快なギャンブルマンガです。ただし、賭け事の内容は恐ろしく小スケールです。

ヒロインの鳥獏が賭け事が弱いのに賭けをせずにはいられないと言う厄介な性格で、ひたすら馬締くんに負けまくる展開…と思いきや、色気にやられて自主的に敗北するなど目も当てられない状態になるのがポイントです。

男だったら駄目人間以外なんでもない鳥獏先輩ですが、男子目線で見ると放っておけない部分があるのが事実です。頭の中身以外にも無防備すぎて色々問題がある先輩と恋愛への免疫ゼロなむっつり男子が繰り広げるコメディーでもあるのです。

あらすじ

主人公馬締は真面目がとりえでギャンブルには一切興味がないと言う無難な人生を過ごしていました。ところがとある昼休みに自動販売機の前で鳥獏先輩にジュース代を賭けたコイントスに付きあわせられます。結果的に鳥獏先輩にツケを作ってしまった馬締くんは、何かと付きまとわれることになるのです。

鳥獏先輩の特徴はとにかく賭けに弱いことです。勝算がないのに馬締くんに賭けを挑んでは惨敗を繰り返します。その厄介さを面倒に思いながらも、女子に免疫がない馬締くんはなんだかんだと付き合ってしまうのです。そして、ツケは増えていきます。

ただし、鳥獏先輩は巨乳であったり、無邪気すぎて服装にあまり気が回らなかったりとかなりサービスシーンが大目です。色気にやられて馬締くんが自滅するパターンもあるため、一方的に勝てることがなくなっていきます。果たして馬締くんは鳥獏先輩からツケを取り戻しつつ、平穏な日常を取り戻せるのでしょうか。

感想

賭けに弱いのに賭け事大好きなポンコツヒロイン鳥獏先輩

賭けに弱いのに賭け事が大好きとなると、男性であれば完全に駄目人間です。しかし、巨乳の女の子で賭け事のスケールがジュース代などのスモールスケールだと話が変わってきます。頭の中身が残念なのはお墨付きになってしまいますが、男子としてはどうしても目で追ってしまう部分があるのです。自覚的にやっていればあざといとなるところですが、天然なのだから始末に終えず、逆に魅力的な要素になっているのです。積極的に自爆しにいくあたり、ドジッ子とも違う新要素となっています。

鳥獏先輩は馬締くんを賭けに巻き込むなら手段を選ばないのもポイントです。なんとジュース代を賭けるために土下座までしてしまいます。そこまでするのであればいっそお金を借りた方が良いのではと思われがちですが、あくまで賭け優先なのです。その後もあらゆる手を尽くして馬締くんを賭けに巻き込もうとします。むしろ色仕掛けの方が簡単に落ちそうなのに全く自覚がないあたりがポンコツたるゆえんです。自分の武器がまったくわかっていないのです。

コマ割りも男子目線で構成されているのが魅力です。男ならゆれるおっぱいに目が行くだろうと言うコマがたくさんあるからです。思春期の男子高校生の目線としては非常に自然で、結果としてサービスカットも多くなっています。そして、おっぱいに釣られて馬締くんが負けるシーンもあります。男の本能や弱さを感じさせます。物語の後半からは鳥獏先輩の幼馴染でメガで巨乳の先輩も登場するため、メガネ美女が好きな人はそちらにも注目です。

ギャグに全降りしているのでストーリーはないに等しい

『兄の嫁と暮らしています。』がヒット作となり、ストーリーでも好評を得ているくずしろ先生ですが、『鳥獏先輩なに賭ける?』はギャグ一辺倒の作品になっています。ギャグ以外の要素がお色気と賭けになるため、ストーリーはないに等しくなっているのです。もちろんキャラクター間の交流や関係性の構築などはありますが、特にキャラクターたちが成長する要素も無いのです。そのため、ストーリーに期待して買うと裏切られる可能性があります。

くずしろ先生はもともと百合漫画やギャグマンガを多く手がけているため、むしろ『兄嫁』の方が珍しい作風となっています。そのため、兄嫁が好きな人に『鳥獏先輩なに賭ける?』を勧めるのはおすすめ出来ない部分があります。もちろん、お色気シーンなど共通する部分があるので、そこに引っかかる層には問題なくすすめられます。ただし、こちらは底抜けに明るい作品でもあるため、人の感情を揺さぶるのは青少年的なエロスか笑いしか無いのです。

ギャグよりもお色気よりの部分があるため、ギャグに切れ味を求める人にも若干不向きです。むしろ、かわいい女の子にくっつかれたり、かまって欲しかったりする男性や女性には文句なしにおすすめできます。鳥獏先輩は基本無防備なためスキンシップが多めになっているからです。シモネタを想起するような場面も目立つため、そういった意味でも男子向けです。内容やストーリーではなくかわいい絵やお色気シーンを楽しみたい、それこそ純粋に萌えたい人向けの漫画なのです。

賭け事自体はとっても小スケールなのもポイントに

賭け事好きの鳥獏先輩ですが、高度な賭けが出来ないのがポイントになっています。それこそ小学生でも出来るようなものが中心で、棒倒しやコイントスなど簡単なものばかりです。その分感情移入やルールの把握が簡単で、遊んだことがない人が少ないものが多いのが特徴になっています。感情移入はしやすく、どのような必勝法があったかなどを考える楽しみもあります。難しく考える必要がなく、さらっと読める部分も魅力の一つになっています。

ルールがシンプルな分心理の読み会いになる部分もあります。馬締くんはその真面目さから心理面からゲームの分析をするなど、意外に遊びに詳しい面も見せます。それを生かしきれないのもポイントになりますが、全く何も考えてない鳥獏先輩との差が目立つ形になります。むしろ本能で賭けをする鳥獏先輩の行動は読み辛い部分が多く、展開の読めなさに繋がっている部分もあります。ただし、展開が読めなくても自爆しそうな雰囲気がある辺りがキャラクター性です。

ちなみに、鳥獏先輩との賭けに関してはなるべく避ける馬締くんですが、鳥獏先輩の幼馴染で黒髪メガネ美人の提案はあっさり呑んだりします。鳥獏先輩のわかりやすいエロよりも、ガードが固そうな女性の内に秘めたエロさに興味が行くお年頃のようです。完全にむっつりですが、その感覚に共感する人も多いはずです。新キャラ追加は1巻後半になりますが、キャラデザは秀逸の一言です。実質的にダブルヒロイン状態になっているため、2巻の表紙を楽しみにしたいところです。

まとめ

『鳥獏先輩なに賭ける?』はひたすらスモールスケールなお色気&ギャグの賭け事マンガです。賭けるものは小学生レベルですが、天然美少女が発案するので色々な意味で破壊力があります。ギャンブルマンガはどうしてもスケールが大きいほうにいきがちなため、ある意味異色の作品となっています。ヒロインが極端に賭けに弱いのもポイントで、学習能力がないのかと突っ込みたくなるのは秘密です。先輩のポンコツぶりが漫画の魅力と直結している部分があるからです。

ストーリー性は低く、ひたすら笑うかエロ目線で楽しみたい男子向けの作品になっています。エロの方向としては健全でライトな方向なので電車で読んでも大丈夫なレベルです。ただし、漫画アクション連載という掲載雑誌の関係か、胸を強調するような洋服デザインなどデフォルトでエロ方向に寄っている部分もあります。露出度は低めで、着衣フェチが喜ぶようなエロ方向であることに注意が必要です。不自然に脱いだりはしないので過剰な期待は禁物です。

主人公が実意はむっつりスケベであることがわかるなど、読みすすめる事で共感ポイントが増えるのも特徴です。なんだかんだで女性の色香に弱いあたりが非常に男子高校生らしいといえます。真面目であっても女性には弱いのです。今後はどのような賭け事がテーマになるのか、また、新キャラがどのように絡んでくるかも見ものです。全体的にはレベルは高く、シンプルにマンガを楽しみたい人にはおすすめできます。そして、貧乳キャラは登場しないためその点には注意が必要です。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:しらたま。