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「れんあいこわい」は女性に恐怖感のある心が童貞な女子悠と、やっぱり童貞な男子が桜井が繰り広げるラブコメディです。主人公二人以外にも同じ職場に勤める人間たちの人間模様や恋愛感が楽しめるようになっています。

1巻で悠のことを完全に意識する用になった桜井ですが、童貞ゆえのこじらせ方でフラグを次々粉砕していきます。最初から悠がフラグを折りながら突き進んでくるケースもあるため、どちらにせよ残念なことにはかわりがないのがポイントです。

美人で巨乳でAV好きという涼子にも意外な一面があることがわかるなどキャラクターの掘り下げガ進む部分もあります。青春の甘酸っぱい雰囲気と、そこから先に進んで達観したり諦めてしまった人間の視点が混じるのも特徴で、動手は本当にめんどくさいと思う部分と共感する部分が入り混じっているのです。

あらすじ

心に童貞がいる女子校生悠と大学生の桜井はバイト仲間です。実は二人は過去に出会っていたことが1巻で判明し、桜井は悠のことを一方的に意識するようになります。悠はその時に会っていたのが誰かわかっていないため、一人で悶々とすることになるのです。

腹を割って話すことも出来ない童貞脳の桜井ですが、悩みすぎて悠との関係がこじれたりもします。悠も悠で童貞思考のため桜井に仲間意識をもっていて、裏切られたのではないかと勘違いする場面もあるのです。他人からすれば馬鹿としか言いようがないすれ違いが発生し、関係がこじれていくのです。

関係のこじれた二人をみた涼子は、仲直りをさせるために自分の家に二人を呼びます。これは桜井が本当に童貞であるかをチェックするためです。果たして本当に桜井は童貞であることを証明するのか、むしろどうやって証明するのか、波乱含みで物語りは進んでいくのです。

感想

はたから見てもめんどくさい、童貞をこじらせた男女の恋愛思考

れんあいこわいの2巻は、童貞をこじらせた男女のこじらせぶりが目立つのが特徴です。とにかく思考が面倒で、解決のために動くどころか積極的に回り道をしようとするからです。お互い自分に自信をもっていない上に開き直る勇気もなく、無意識に相手を振り回したりすることになるのです。童貞であれば思いっきり共感する部分もある一方で、だから童貞なんだと突っ込まれると非常に痛いのがポイントです。客観的に振り返りたくはなく、見つめられたくもないのが童貞の面倒さのゆえんでもあります。

童貞以外にもオタク趣味をこじらせてしまったり、BLをこじらせてしまったり、こじらせた人間が登場人物の中心なのもポイントになっています。お前ら全員面倒くさいと言いたいところですが、何かしら面倒な部分があるのが人間です。共感できる部分が多いキャラも多く、それぞれに割り振りがされているのが魅力です。一方で、1人1人が評価できるかと言えば、変人や変態などの一言でばっさりいけるのが辛いところです。今回は店長の歪んだ恋愛感覚も披露されるため、主要なキャラのエピソードは全て入った形になります。

ラッキースケベやエロ系ハプニングなども多めになっているのが2巻の特徴です。扉絵にもサービスカットがあり、お色気方面目当てで購入しても問題はありません。ただし、基本的にこじらせている人間しかいないので、流れに乗り切れないのがポイントです。だから童貞なんだと何度突っ込みたくなっても、童貞は童貞なのです。チャンスへの弱さが笑いになっている部分もあるため、しっかり笑える作品になっています。特に笑いのふり幅が大きいため、シチュエーションコメディとしても楽しめるようになっているのです。

作者自身が打ち切ってしまった作品に

れんあいこわいのもっとも悪い点は、作者自身が打ち切ってしまった点です。そのため、もう少し物語が読みたいと思っても、2巻で終わってしまいます。しっかりとキャラクターの描写が出来ていない部分や、伏線の回収が終わっていない部分もある状態で終わっているのです。3巻以降も含めて楽しみにしていた人はボリュームが物足りない恐れもあります。現在くずしろ先生が連載作品を多数抱えている状態であるため、スケジュール的にやむを得ないのかと考えてしまう部分もあります。

ギャグの切れはよく、会話のテンポが良かっただけに続きがないのが惜しい作品です。作者自身も今後別の形で復活する可能性を匂わせているため、別媒体や別タイトルで復活する可能性もあります。ただし、復活をするにしても連載のどれかが終わらなければ厳しいと思われるため、先が長い話になりそうです。とくに根暗でリア充が嫌いと公言するバイトの蓮見くんがさわやかな恋愛に引っ張られていく部分が2巻の見所となっているため、連載が続いていたらどうなっていたかも気になるところです。

2巻単体で言えば、悠の過去の描写が若干唐突であり、どうしてそうなったのか、その後どうして童貞をこじらせるようになったのかわかり辛い部分もあります。導入が唐突で、現在の悠の童貞女子ぶりと関連付けが難しいからです。むしろ悠以外の別キャラでやってもよかったのではと思う部分もあり、若干浮いています。ドMとドSのコメディーとしては面白い内容になっているだけに、れんあいこわいの作品内でやる必要があったのかも含め、残念な点になっています。

童貞が知りたい豆知識が増えていくのもポイント

童貞をこじらせた人物が多い「れんあいこわい」ですが、恋愛慣れしているキャラクターもいます。ただし、恋愛を学んだ参考媒体がAVです。少しどころかかなりぶっ飛んでいるキャラクターが巨乳女子大生の涼子です。涼子は童貞から距離を置いて大人目線で会話をしてくる分、たまに心を抉るような一言を放つキャラクターになっています。童貞やメンヘラ女子が聞いて心が痛くなるような台詞が多い分、しっかりと向き合えばプラスになる情報も多いのです。

正しいブラの外し方など、余計な情報も教えてくれます。童貞に必要な知識なのかどうか、かえって慣れすぎていてもドン引きされそうと言うのは脇におきます。学んだのはやはりAVからで、自分でやったわけではないのもポイントになります。別の意味でこじらせているのは内緒です。そもそも空気を読むのが苦手で思ったことを口にしてしまうため、恋愛の駆け引きが苦手でAVを見る用になったと言うなかなかの肉食系なのです。ただし、言動で男には逃げるというおまけがつきます。

ちなみに、何故悠が自分を女子としてあまり認識していないかを描く描写もあります。だから童貞思考なのかと納得する背景がしっかりあったのです。設定が用意されてあったのは意外なポイントですが、そういった意味ではしっかりと女子の部分があるのです。キャラクターが魅力的だからこそもうちょっと長い尺を取って丁寧に書いて欲しいと思える部分なのですが、終わってしまったので仕方が無いのです。同時にリメイクなどがあれば期待したい部分でもあります。

まとめ

れんあいこわい2巻は内容は良いものの、急遽連載終了と言うことでかなり駆け足になっています。2巻で終わるとは思っていなかった分ショックが大きく、一度読んだ時は現実が受け入れられないような感じになりました。しかし、作者自身が終わり方に納得していない部分があるようなので、今後の何かにつながっていくことに期待が持てます。その分マンガ単体で読んだ時は評価を落とさざるを得ないのが辛いところでもあります。正直もう少し尺が欲しかったです。

回収し切れなかった複線が多い一方で、今回は童貞の思考にかなり切り込む内容になっています。問題があるところを修正していけば童貞を卒業できるはずなのですが、童貞であることにプライドをもっている人がいるから問題です。そうして永遠にループに入ってしまうのだなと、他人事ではなく思えるあたりが悲しい部分でもあります。実際に童貞か、そうでないかで視点が分かれる部分ですが、女性であればこんなに面倒なことを考えてるのだと理解できる可能性があります。むしろ、理解出来ない方が幸せかもしれません。

ギャグの切れ味などが良かっただけに残念な感じになってしまっていますが、後味が悪い感じでは終わっていないのがポイントです。また、カバー裏書下ろしのイラストは必見で、むしろ打ち切りすらネタにしている節があります。作者のサービス精神の旺盛さを感じさせるため、ギャグテイスト全開の状態を読みたいのであれば1巻とセットで読むことをおすすめします。不意に胸を指すような作風が特徴の『兄の嫁と暮らしています。』や、百合コメディの『犬神さんと猫山さん』も含めて、作者のカバー範囲の広さを教えてくれる作品でした。

オススメ度
★★★★★★★★☆☆ ★8

月10冊程度、年間100冊超の漫画を読むフリーライター。非定期で友人と百合漫画を語る会を開きますが、ジャンルは不問で何でも読みます。

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