「秋田妹! えびなちゃん 」は「干物妹!うまるちゃん」のスピンオフ作品です。人気キャラの秋田弁娘海老名菜々ちゃんが主役で、東京に出るまでの過去や地元の友人関係などが描かれています。サンカクヘッド先生が直接スピンオフを書いているため、セルフスピンオフと銘打っています。

引っ込み思案で巨乳で意外と大喰らいと地味に属性が多いえびなちゃんですが、スピンオフでは行方不明の兄との関係とうまるの兄とのラブコメが中心になっていきます。うまるは1巻ラストに書き下ろしのおまけで登場するため、掛け合いなどが楽しめるのは2巻以降になっています。

基本的にえびなちゃんが中心で動くため、よく動き、よく迷うえびなちゃんが見たい人のための作品です。スピンオフ作品ではありますが特に知識がなくてもそのまま楽しめる用に配慮がされていて、全くの別シリーズとして読む事も可能です。

あらすじ

秋田に住む海老名菜々は東京に行ったまま行方知れずになってしまった兄を探し、進学のために上京することを決意します。しかし、引っ込み思案で都会慣れしていないえびなちゃんにとっては都会の生活は大変で、偶然知り合った同じアパートに住む男性土間に助けられながら生活をしていきます。

兄に似た顔から土間が気になってしまうえびなちゃんですが、それを口にする事は出来ない状態です。上京したばかりのえびなちゃんを心配して友人や母親が訪ねるなどにぎやかになるなど寂しさを忘れることも多く、少しずつ東京に馴染んでいきます。

母親や地元の友人と観光に出かけたときにはぐれてしまうハプニングに見舞われたりするなど、天然ボケを炸裂させる部分もあります。無事家族たちと合流することが出来るのか、しっかりと学校に行けるのでしょうか。1巻は学校入学の場面で終了しています。

感想

ただいるだけで目立つ爆乳の持ち主えびなちゃんが主役に

えびなちゃんは「干物妹!うまるちゃん」に登場する人気キャラです。ただいるだけでも目立つ爆乳の持ち主で、引っ込み思案で天然気味、あがり症など弱点満載のキャラクターになっています。作中で登場時もよく考え込んでしまって頭から煙を吹いていて、思わず守ってあげたくなる女の子として認識されています。スピンオフでも天然ぶりは健在で随所でボケをかましたり、田舎あるあるなネタを口にしては周囲を困らせることがあります。

ポイントになるのが本人は常に一生懸命であることです。狙って何かをするようなことはなく、純粋な好意や疑問から行動しています。上京時はそもそも人ごみになれていないことから戸惑うシーンが多くなりますが、秋田の人口を考えれば自然な話ともいえます。また、ショッピングモールの巨大さに驚くなど突っ込みどころも満載です。秋田でもどれだけ田舎に住んでいたのだと突っ込みたくなりますが、えびなちゃんの生活パターンを考えると納得できてしまうから不思議です。

えびなちゃんのキャラの中心になるのは、爆乳だけでなくよく食べることでもあります。上京してすぐにコイン精米機を探そうとしたり、冷蔵庫一つでは食料がすぐ空になることを嘆いたりなど、ちょっと食欲の桁がずれている部分もあります。それだけ食べているから胸が大きくなるのかと納得できる一方で、胸以外は痩せ型体型なあたりがかなり不思議なキャラでもあります。生活の中心が食べることが、1人いる時はひたすらマイペースなえびなちゃんの行動を見て楽しめるのも魅力の一つです。

うまるなどおなじみのキャラはほとんど出てこない

えびなちゃんはあくまでえびなちゃんが主役で、うまるなどは出てこないようになっています。出てくるのは1巻ラストにちらりと出るだけのため、本編と同じような掛け合いを見たい人は物足りなくなる可能性があります。うまるやクラスメートが出てしまうとどうしても掛け合いが中心になってしまうため、えびなちゃんの出番が少なくなってしまう恐れもあります。そのため、秋田の地元の友人関係など、えびなちゃんの過去を掘り下げる形でストーリーが進んでいくのです。

本編と共通して登場するのがうまるの兄です。はじめてあったときに兄の姿を重ねたときから気になる存在になってしまい、何かと意識するようになっていきます。えびなちゃんのラブストーリーとしての側面もあり、うまるの兄とどういう風に関係を築いていくのかも注目のポイントです。えびなちゃんが考えすぎてしまうためじゃっかん妄想コメディー名シーンが入ったりもしますが、基本的には純愛物になっています。ただし、それが好意だと気づくのは1巻でもかなり話が進んでからです。

うまるちゃん本編でもえびなちゃんがうまるの兄に好意を抱いているのはわかりやすくなっています。出会いもさかのぼって描く形であり、ラブコメ要素を楽しみたい人にはプラスになっています。全体的にほのぼのした雰囲気になるため、うまるちゃんのようなだらけコメディー要素は少ない点に注意してください。地方ネタのコメディーが入るため、実際にあるていど地方の実態をしらないと共感がしづらかったり、秋田名物を知らないとピンとこないことがある点にも注意が必要です。

えびなちゃんがいるだけでサービスシーンなのに、お母さんも巨乳

えびなちゃんの特徴は巨乳で、いるだけでサービスシーンになっている部分があります。しかし、お母さんもえびなちゃんに負けず劣らずの巨乳の持ち主です。見た目で年齢がわからないため、うまるの兄に初対面で姉に見間違われるほどです。ショルダーバッグをかけていわゆるパイスラッシュ上田になっているシーンや、ネグリジェのシーンも出てくるため、実はかなりのサービスキャラになっています。えびなちゃんと並び、スピンオフではお母さんが人気キャラなのです。

巻末のおまけマンガではサンカクヘッド先生自身がお母さんがいいキャラだから担当編集に推し、見事に作品化を勝ち取ったエピソードが書かれています。天然でおおらかなまさに母性の塊のような人のため、やられる人は多いようです。もちろん、えいびなちゃんの秋田時代の友人など個性豊かなキャラも出てきますが、キャラクターのたち具合ではお母さんが頭ひとつ抜けている形です。こんごえびなちゃんが学校に行くようになり、登場回数が減らないか不安なほどです。

ちなみに、えびなちゃんの貴重な入浴シーンがあるなど、サービスカット自体も多くなっています。服を着ていても胸が目立つだけでなく、どうしても身体を縮こまらせるクセがあるのでどうしても胸が目立ちます。私服のバリエーションなども見所の一つとなっているだけでなく、水着の扉絵があるなどなかなか見られない絵が満載になっています。とにかくえびなちゃんが好きと言う人や、天然巨乳の田舎娘が好きなら読んでみて損はない作品になっているのです。

まとめ

「秋田妹!えびなちゃん」は地方色を取り入れながらえびなちゃんという巨乳妹系キャラを描いた作品です。純愛よりですが引っ込み思案のためにたびたび妄想が入ったりもするラブコメ仕立てになっています。誰かに助けられながら前に進んでいく部分が多いものの、えびなちゃんが成長していく姿も見ることが出来るようになっています。特に過去の話が加わっているため、キャラクターの深みが増しているのもポイントです。秋田の友人たちもかなり個性的になっています。

うまるちゃん本編でうまるの兄を意識しているシーンは多くなっていますが、こちらでは意識する過程が描かれているのもポイントです。ピンチになるとなぜか助けに来てくれるなど、非常においしいところを盛っていってくれます。兄の面影をきっかけに人柄を好きになっていく部分もポイントです。うまるちゃんでラブコメ分が不足しがちな人はこちらの方が楽しめる可能性もあります。また、巨乳好きであれば常にえびなちゃんがいるだけで幸せになれる可能性もあります。

えびなちゃんのお母さんがいい味を出していて、人気キャラとして成長しているのもポイントです。かわりにうまるちゃんたちが登場するのは書き下ろしのおまけマンガ程度で、しっかりと書き分けがされているのがわかります。また、学校で出会ったばかりのシーンのため、どのように仲が進展していくかも書かれていません。うまるちゃん本編の連載のほかにWeb上で連載されている形になるため刊行ペースはまったり気味ですが、2巻が楽しみになる作品になっています。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

月10冊程度、年間100冊超の漫画を読むフリーライター。非定期で友人と百合漫画を語る会を開きますが、ジャンルは不問で何でも読みます。