『ときめきラノベ地獄』はラノベ、いわゆるライトノベルをテーマに女子校正がひたすらディスカッションを行うと言う異色の萌えマンガです。アニメ化されたラノベ作品なども頻繁に話題に出てくるため、ラノベを読んだことがない人でも楽しみやすい用に配慮されています。

ポイントになるのが、なぜラノベにはチョロイヒロイン、通称『チョロイン』が覆いの科などを大真面目に語っていくことです。とんでもな話が混じる事は多く、ツッコミどころ満載のギャグマンガとして成立しているのも特徴です。

ラノベ形のヒロインの話題に合わせて登場人物が脱いだり脱がされたりと言った読者サービスも多く、目で見て楽しめるようにもなっています。真面目に設定を考えるきっかけにもなってくれるため、同人などの二次創作活動にも生かしやすいのも魅力です。

あらすじ

私立羅延(らのべ)学園にはラノベ研究会と言う部が存在します。メンバーは部長のまいる、副部長のミリンダーことみりん、サラっちことサラの三人です。三人は部活としてラノベについて語るのが日常で、特にまいるは頻繁にお題を提出することになります。

三人が考えるのは、ラノベのあるあるはなぜ成立しているかです。例えばチョロインが多いのか、ダンジョンの周辺に街ができるかなどを延々と議論していきます。結論が見つかることもあれば、あさっての方向に進むこともあり、毎回波乱に満ちているのがポイントです。

部長のまいるが美少女好きな事もあり、他の部員が押し倒されたり、露出が激しい格好をさせられるのも日常茶飯事です。部長本人が率先して衣装を着る事もあるためツッコミが入れ辛い場合もあります。とにかくひたすらラノベについて語りたおし、ストーリーなどほとんどないのがラノベ地獄の地獄たる由縁になっています。

感想

ラノベのヒロインやハーレムについて語り倒す異色さが際立つ作品

『ときめきラノベ地獄』の優れたところは、その異色さです。ラノベ原作のアニメは非常に多く、深夜アニメの主役になることも珍しくなくなっています。一方で、あまりにも設定が似ている作品が放映されて話題になることも多く、その共通点が注目されることも珍しくなくなっています。そんなありがちなラノベのあるあるや、魅力に考察を持ち込むマンガになっているのです。もちろん真面目なものだけでなくギャグテイストの考察も多く、それにあわせてサービスカットも多めになっています。

ラノベを題材にしているものの、ところどころマンガやアニメのネタが挟まれているのも特徴です。ラノベがわからなくてもある程度話の流れで推察が出来るようになっていて、原作を知らなくても問題が無いケースも多いのもポイントです。タイトルがそのまま世界観を表しているラノベも多いため、それほど知識が無くても読み進めることができます。むしろキャラクター同士の掛け合いがうまいため、すいすいと読める人の方が多いはずです。

異世界召喚ものやロリババアなど、ラノベ以外にもよく聞く存在や世界観に対する考察もあります。メリットばかりではおかしいからデメリットも考えようなどあさっての方向にいくケースもあるため、先が読めないのも面白さの一つです。ラノベでも古典にさかのぼる会があるなどトリビア的な要素も含まれているため、楽しみ方の幅が広いのも特徴です。巻末には原液ラノベ作家と作者の対談なども納められているため、リアリティ重視の人も楽しめる内容になっています。

作品を全部網羅するのはかなり厳しい

ときめきラノベ地獄に登場するラノベを全て把握するのは困難です。両手の指で足らないくらいタイトルが出てくるだけでなく、古典的なラノベにさかのぼる回では1970年代の作品まで出てきます。これは小説にアニメなどで活躍するイラストレーターの挿絵がつき始めたのが1970年代後半だからです。表紙だけでタイトルが出ないものもあるため、リアルタイムで生きていないとわからない作品もでてくるのです。アラサーやアラフォーでようやくわかる作品も存在するほどです。

元ネタがわからなくても楽しめるのは魅力ですが、随所にネタが挟み込まれているためわからなくてもやっとするケースが出てくる可能性があります。むしろ、原点ではなくオマージュやパロディーで覚えている人の方が多い可能性もあり、作者の松羅弁当先生のベテランぶりがわかる用になっています。ベテランでありながら非常に自由な思考と発想で描かれているため、年齢を重ねても創作をし続ける人のパワーを感じることもできます。どこまで話題を拾い、どこを流すかが重要になるのです。

また、ファン層が多いラノベをネタにする事もあるため、熱心に信望している作品がある場合は注意が必要です。思ったのと違う考察が入っていたとしても、あくまで創作としての考察であることを理解する必要があります。キャラクターが考えている事は面白おかしく話題にするためであり、公式な見解とは違うからです。あくまでパロディーやコメディーを許せる余裕がある人に向けた作品であり、公式が絶対的だと思っている人には毒になる可能性があるのです。

キャラクターの個性の割り振りもしっかりとしている

ラノベのネタを延々と話す作品ではありますが、それぞれのキャラクター造詣がしっかりしているのもポイントです。例えばまいるは美少女大好きで盛んにネタを突っ込んできますが、たまに夢を見すぎていてはしごを外されたりすると打たれ弱い面を見せたりします。常識人ポジションのミリンダーは純情な部分とお人よしな部分が同居しているなど、ラノベを語るキャラ自体にメリハリがつけられているのです。冷静な突っ込みポジションのサラは、何気に毒を混ぜたりもします。

キャラクター造詣の巧みさは会話のテンポの良さにつながっています。まいるが思いっきり脱線させた話をさらに引き出すのか、的確に打ち落とすかと言ったバリエーションが出来るからです。キャラクターがしっかりしているため突っ込みも違和感無く受け入れられるだけでなく、それぞれの意見に共感しやすい読者を生む構図になっています。キャラクターが語るからこそ面白い部分も生まれていて、作品を多面的に見せる効果も生み出しています。

ただネタを入れるだけでなく、その源流まで辿って提示することもあります。ラノベ発祥と思われるネタであっても、実はネット発祥のコラージュ画像であったり、デマで広まったりするケースもあるからです。原作とアニメで展開が違っていたり、改ざんがあることも珍しくないため、ファン層で印象が変わる事もあります。こちらの突っ込みもキャラへの割り振りがうまく、大体調子に乗ったまいるを別な誰かが突っ込みで落とす形になっています。

まとめ

ときめきラノベ地獄はラノベを題材に扱った異色の作品ですが、会話のテンポやキャラクター性の面白さでも読めるようになっています。主人公のまいるが美少女好きで女の子の裸も大好きと言う男子寄りの嗜好をもっているため、サービスシーンも多めです。自分の恥ずかしさよりも部員を巻き込むことを重視しているだけでなく、他のマンガ作品のネタとして顔芸をする比率も高めです。女子と言う生き物を半ば飛び越えたキャラですが、意外と純情な部分もあったりするのです。

ラノベ世界の女子の服の構造に触れるなど、なかなか話題に出辛いものについても考察をしています。実際作ろうと思った際に非常に手間がかかるデザインの制服や、着たり脱いだりを考えていないのではと思ってしまうような服も多いからです。物事を考察する事は作品世界を広げることにもつながるため、想像を働かせるポイントになります。隠れた設定なども多いからこそ、考えて補わなければならない部分があるのがラノベと言う作品形式だからです。

もちろんマンガやアニメ、映画などにも隠れた設定などが有るケースは珍しくないものです。しかし、話題を広げすぎるとたたむのが大変になるのは難点です。ときめきラノベ地獄はアニメ化されやすく、親しみやすい割りに、意外と読んでいる人が限られると言う隙間をうまく狙い打った作品なのです。本の帯を外すと初めてわかる遊びや、特定レーベルのつくりなども含めてネタにしているのもポイントです。本好きやアニメ好きなど、属性が多い人であればニヤリとするようなマニアックな楽しみができるのも特徴になっています。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:しらたま。