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恋する小惑星(アステロイド) (1) (まんがタイムKRコミックス)

『恋する小惑星(アステロイド)』は子供の頃の約束を頼りに小惑星を発見しようとするみらとあおを主軸に、様々な少女達の学びを描いた作品です。

地質学や天文学といった『地味に見えがちな地学』にスポット当てながら、それぞれのキャラクターが学ぶ楽しみを描いているのが特徴です。

知識が押し付けがましくない程度になっていることと、女の子同士のいちゃいちゃする要素のバランスが秀逸なだけでなく、ストーリー性も高いという完成度の高い4コマ漫画になっています。

あらすじ

高校に入学するみらは、小学生の頃偶然出合ったあおという少年から星を探す楽しみを教えられ、小惑星を探し出して名前をつけることを目標にしています。

しかし、入部するはずの天文部は人手不足で地質部と合併されていることにショックを受けることになるのです。そして、その部活に同じ1年生の女子として入部したあおと再会することになります。

星のことは好きでも道具に関する知識がないなどポンコツなところがあるみらは、あおや他の部員達と共に、様々な知識を学びながら一緒に小惑星を見つけるために動き出すのです。

感想

ストーリー性の高さと地学知識のバランスが絶妙

『恋する小惑星(アステロイド)』は「みら」と「あお」がメインキャラクターになります。世界で始めて小惑星をはじめて見つけた人間には小惑星に名前をつける権利が与えられます。みらとあおは過去に交わされた約束を果たすために小惑星を探し続けていて、お互いの夢を叶える過程で再会することになるのです。

また、部員それぞれになりたい職業があったり、新たな目標ができていくのもポイントです。部員達の交流の中で新たな発見を重ね、夢や目標を見つけるシーンが盛り込まれているのです。

些細な発見やきっかけが学びに繋がるケースも多く、その発見がキャラクターの様々な表情を引き出してくれます。ストーリーの展開と地学の情報バランスは絶妙で、みらたちと一緒に学んで楽しめる4コママンガになっているのです。

女の子同士のいちゃいちゃは見守りポイントの一つ

みらはあおのことを男の子と勘違いしていたわけですが、再会後は離れていた時間を埋めるように仲良くなっていきます。一方のあおは緊張とテレから意識しすぎなレベルでみらを意識しており、ラブコメ要素にもなっています。

さらに、みらの親友すずの存在がキーになります。すずは男はNG、女の子はOKのスタイルを貫いており、様々な女性との百合を見守ったり、フェチズム的な目で見たり、縦横無尽に活躍(?)します。もちろん、みらとあおの2人のいちゃいちゃも見守りポイントです。

みらとあおの先輩たちのやりとりもポイントで、基本的に女の子同士が仲が良いことを止める存在がいない状態です。むしろ積極的に支援するキャラクターが多く、女の子同士の仲の良さをあたたかく見守るシーンが大盛りになっているのです。

小惑星を探す難しさもしっかり描いている

『恋する小惑星(アステロイド)』の特徴になっているのが、科学的な情報のリアリティです。小惑星を見つけることで命名権を得られるのは事実ですが、実際は様々な世界中の天文観測所やアマチュア天文観測者がライバルになります。中には国立レベルの機関も含まれるため、女子高生が小惑星を発見するということは非常にハードルが高いことなのです。

機器の価格などにもリアリティがあります。望遠鏡一つとっても性能によって価格が大きく分かれます。オプション一つで数十万円といったケースも珍しくないだけに、予算の制限が物語に大きな影響を与えているるのです。

予算がないから諦めるのではなく、手探りで近づいていくのもポイントです。だからこそ手がかりを見つけた際の喜びも大きくなります。周囲の大人たちも少女達にやさしく接してくれるのも特徴で、悪意のない世界で少女達の成長を見守る物語にもなっているのです。

まとめ

ヒロイン達が可愛らしいのは萌えの基本の条件になります。しかし、『恋する小惑星(アステロイド)』はさらに学ぶ楽しみや少女達の成長を丹念に描いているのが特徴になります。

少女達の視点と笑顔を通して読者にも学ぶ楽しみを伝えてくれるのが特徴で、一見地味に見えるものにも歴史や意味があることがストレートに伝わってきます。

1巻の時点で名作になるだけの素地を持っている貴重な4マンガであり、これからが気になる作品です。知的好奇心を刺激する内容になっているため、年齢を問わずに読んで欲しい一冊になっています。

月10冊程度、年間100冊超の漫画を読むフリーライター。非定期で友人と百合漫画を語る会を開きますが、ジャンルは不問で何でも読みます。

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